フルリモートワーク座談会〜経営者のホントのところ〜

創業時期も従業員規模も大きくは変わらない3社の代表陣に、「リモートワーク(テレワーク)で働く会社を運営する経営者ってどんなことを考えているのか?」包み隠さず本音で話してもらいました!メンバーとのコミュニケーションやお給料のことまで・・・普段オープンな場所ではしない会話を収録させていただいた、まさに”座談会”記事をどうぞ!

*この記事は従業員側の視点で語られた『フルリモートワークで働いてみた本当のところ~ソウルウェア社員による本音の座談会~』のシリーズです。

座談会メンバー

左から時計回りに
松本 洋介さん:株式会社コラボスタイル代表取締役。
四宮 靖隆さん:株式会社ジョイゾー代表取締役。
吉田 超夫さん:株式会社ソウルウェア代表取締役。
いずれも従業員数は10名〜15名の社長さん達です!
今回の座談会進行は
サリー:インタビュアー。株式会社ソウルウェア広報
が行っています。
*記事の最後に全員のプロフィールがあります。

3社のリモートワークのきっかけ

サリー:早速ですが、皆さんはいつからリモートワーク(テレワーク)をされていたんですか?
また、そのきっかけがあれば教えてください。

四宮
四宮

ジョイゾーのリモートワーク歴はこの3社の中だと一番長いですかね?
もう6,7年くらいになります。
札幌、新潟などで地方採用をしたんです。うちで働いてほしいと思ったメンバーはたまたま地方に住んでいて、家庭もあって、東京には物理的に来てもらうことができなかったのでフルリモートで働きはじめてもらったのがきっかけです。

松本
松本

コラボスタイルは2013年に起業して、その翌年には完全に今のようなリモートワークを始めていましたね。最初3人で会社をスタートしたんですがすぐに15人くらいまで増えたんです。地方に優秀な人間がいて採用をした結果、東京・名古屋・大阪・京都などからリモートで働いてもらっています。
開発(エンジニア)の人間ってもともと『Skype』とかリモートに役立つツールに馴染みがあって。最初から割とうまくいってたと思いますよ。

ソウルウェアは全員東京の会社に出社する形で働いていましたが、家庭の事情で地方に引っ越したいという社員がいたのがきっかけですね。
実際にリモートワークが始まったのは2017年頃です。社員1人だけリモートっていうのも何だかやりづらいから、みんなで気持ちをシェアするためにということで会社全体をフルリモートに整えていきました。(詳細はコチラ

吉田
吉田
松本
松本

それこそ、リモートワーク始めた当初は四宮さんに色々聞いたりしましたよね、ツールどんなの使ってるのかとか。
四宮さんが勧めてくれたツール、うちが導入してみる頃にはもうジョイゾーでは使ってなかったり(笑)

四宮
四宮

ツールはすごく色々試したからね(笑)新しいのを使っては止めて、使っては止めて・・・模索しました。

リモートのコミュニケーションについて

– 雑談、どうやって活発にしてる?

サリー:リモートワークと言えば必ず問題に上がるのが「コミュニケーション」。
経営者の皆様はどんな工夫をしていますか?

四宮
四宮

本当にツールはたくさん試して・・・今は社内のやりとりは『LINE WORKS』、WEB会議や社外の人との打ち合わせは『Zoom』を利用しています。
ジョイゾーの特徴はすごく”雑談”が多いんじゃないかな。
会社全体で雑談を推奨しています。

うちは今、社員が15名で内9割りがエンジニア。
総務のメンバーはこれまで出社して作業してもらっていましたがコロナウィルスの一件で全員をフルリモートにしました。

このタイミングで毎朝9:30〜10:00くらいまで”雑談タイム”という時間を設けました。最初はZoomでルームを作っていましたが、最近は『Spatial Chat』というバーチャルチャットを使い始めました。
リアル(オフライン)でも、朝出社してPCを立ち上げて…と、仕事始めるまでの準備の時間で色々メンバーと会話を交わすでしょ?あの感覚をオンラインでも再現したくて。

サリー:リアルだと顔を合わせた時に気づく相手の変化、例えば「髪型変えた?」というような会話がありますが、あの感じがオンラインで再現できるんですね。
Spatial Chatでは顔が見えてるってことでしょうか?

四宮
四宮

まさにそうです!
そうそう、大切なこと忘れてました。ジョイゾーでは必ず「顔出し」をお願いしてますね。

松本
松本

コラボスタイルでも雑談を大切にしてます。
働き方がフレックスタイム制なので、ジョイゾーのように共通の雑談時間を設けているわけではないです。
オフラインの時はフレックスでもみんな結局似たような時間に活動して働くんですが、リモートになるとばらつきが出る気がしますね。たまには「寝坊した〜」とか(笑)

チャット上に雑談ルームはあるんですが、そこ以外でも色んなところで雑談が発生するようになっています。出社の”おはようスタンプ”の時に一言「昨日のお客さんが発注くれた!嬉しい〜!」なんてコメントが加わっていたり。

経営者として、僕から細かい指示を出すことはしないように気をつけてます
投げかけるだけ。「雑談って大事だと思うな〜」とか投げかけると、あとはメンバーが自発的に考えて、動いてくれてます。

– 日報ってどうなの?

松本
松本

コロナウィルスのタイミングで日報が始まりました。
これもメンバーが自発的に始めてくれたことなんです。僕からは「日報もいいかもね」なんて少し言ったくらいで。

個人的には、日報の良さは知っていたものの、経営者の僕から「日報やれ」というと間違って伝わってしまいそうで嫌だったんです。”管理するぞ”という雰囲気が出ちゃうし。

うん、わかるわかる。

吉田
吉田
松本
松本

最初は、日報を投げる場所はチャット上で始まりました。情報が流れていきやすいからこそ、肩の力を抜いて書けるみたい。
誰かの日報に他の誰かがコメントすることで、そこでもまた雑談が発生する。あと、僕からはあんまりコメントしないようにしてます。

四宮
四宮

なんでですか?

松本
松本

なんかね〜社長っぽくしたくないんですよ。(笑)
経営者の僕が言うと、どうしても目立ってしまうというか。「◯◯やりなさい」なんて意見は尚更。声が大きい人の声って通りやすいじゃないですか。

四宮
四宮

なるほど。
ジョイゾーでも最近、日報始めました。
私もね、元々は日報のメリット感じていなくて。面倒じゃないですか。(笑)

でもやり始めたら、コメント欄でメンバー同士がやりとりしていて。
すごくコミュニケーションが生まれるんですよね。
コメントを貰えたメンバーが、今日もちゃんと書こうって気持ちになる。だから皆、長文でしっかり書いてますよ。

情報格差をなくすには

– DMについて

サリー:リモートワークの社内連絡には必要不可欠なチャットツール。でもクローズドなやりとりが可能なDM機能について、時々問題になっている記事を見かけます。
皆さんはDMでのやりとりを許可してますか?

松本
松本

基本的に業務に関わることはDMは使わないで、とはしています。
多分、個別にDM送る時はなんらかのケアが必要な時。あとは、どうなんだろ?メンバー同士のネガティブな会話とか?(笑)

DMは、経営層から社員に送るものと、社員同士のやりとりで印象がだいぶ違ようです。経営者から何か伝える時は、基本DMは使わずフルオープンで伝えるのが良いでしょうね。

ネガティブな会話に関してはオンラインでもオフラインでも一緒なんだと思っています。
居酒屋で社員同士が愚痴を言うことまで、会社側が規制できない。気にしていても、仕方がないんです。

吉田
吉田
四宮
四宮

DMについてジョイゾーでは明確にルールを決めているものはないなぁ。

うちはメールですら個人メールを使わないんです。顧客とのやりとりも、代表メール1本にしているから情報は全部一元化できています。
だから名刺に、個人のアドレスも書いていません。電話番号も書いていません。

松本
松本

うちも”DM禁止”と言葉としては存在しているけど、意味合いとしてはお二方と一緒です。結局大切なことは「情報格差が出ないように」ということ。

最近思うのは「暗黙知」になってしまわないようにすることが大切だなって。
経営者の頭の中のことって特に、僕が思ってるだけでメンバーには伝わってないことも結構あるなと気づいて。

吉田
吉田

– 議事録について

皆さん、議事録って残してます?

吉田
吉田
四宮
四宮

残してますよ。ジョイゾーでは毎週1回のSIミーティングとプラグインミーティング、月に1回の社員全員が参加する会議があるんですけど、その両方できちんと議事録をとっています。

議事録って書くの大変だし、その割に後から見返すことも少ないなと思って今は特にとっていないんですけど…。今後の情報共有を考えると残した方がいいのかなって最近思っていて。

吉田
吉田
四宮
四宮

大切ですね。特に、社員が増えてくると感じます。
新しいメンバーに、とりあえず議事録だけでも目を通してもらうことにしています。
議事録を見せることで、「どんな情報が交換されたのかわかってもらう」これももちろん大切ですけど、それよりもやりとりの雰囲気を見てもらうことで「どんな会社なのか」を感じてもらうのにすごく役立っています。

メンバーの評価制度について

サリー:ちょっと突っ込んだ質問ですが…。メンバーの査定や評価、リモートワークだとどうやって行っていますか?

四宮
四宮

リモートでもオフラインでも違いは何一つない、というのが結論ですね。

サリー:普段は評価面談みたいなものがあるんですか?

四宮
四宮

評価面談というものはなくて。取締役との1on1を毎月、全員としています。
きちんとした人事評価制度をうちは設けていないんですよね。
会社として「こうありたい」とか「ここを目指してみんなでがんばろうぜ」という話を、その場で伝えるようにしています。

第一、”みんな大人でしょ”っていうのが前提にあるので。
自分の力を最大限発揮できる環境下を会社は整えていくから、パフォーマンスは個人個人で考えて動いて欲しい。
みんなそんな感じですよね?

松本
松本

一緒ですね。
僕は経営課題の中で、評価制度をどうするか?というのが2番目に来ます。とは言え、深刻に考えているわけではないんですけど。とにかく、「管理を複雑にしない」というのを大切にしています。

働く場所、働き方によって給料が変わるって違うと思っていて。リモートだからってお給料や評価に関係は無いんです。

よく、エンジニアがリモートしやすい理由の1つに「開発業務は進捗が成果物として出るから」っていうのがあると思うんですけど、それは営業も一緒です。きちんとKPIなどに落とし込めば、営業でも成果は目に見えてわかります。心配していたような不透明さなんてなかった。

うちはもう少しそこを課題感として大きく持っているかも?

例えば営業も、KPIなど数字で出てくるけど、そのまま数字通りでそれを評価していいんだっけ?とか。うちの場合は特に、”無理しない働き方”を方針としていて、売上をがむしゃらに追いかけなくていいって言ってる中で、じゃあ何を評価軸にするべきなのか?というのはまだ模索中ですね。

吉田
吉田
松本
松本

うちもかっこいい人事制度があるわけじゃないけど、ある程度形になってきたかなという感じですね。

リモートワークだと、細かく項目を決めてしまうとうまく行かない気がしますよね。

吉田
吉田

サリー:例えば、従業員の立場からすると給料が上がったor下がったのタイミングなどで「なぜ自分はこのジャッジをされたのか?」ってすごく気になるところだと思うんです。

明確な指針を設けないとすると、この溝が生まれないようにするのってどうすべきなんでしょう?

松本
松本

うーん。少し話はズレるんですけど、正直に聞いちゃいます。
皆さん賞与ってどうしてますか?(笑)

包み隠さずお話すると(笑)今までは基本給関係なしに、利益として出た分をみんなで等分してました。でもこれを前期分から少し変えて、基本給×◯ヶ月分という風にしました。この◯ヶ月の部分はみんな同じです。

会社の利益は誰か一人が生み出したわけじゃなくて、みんなで頑張った結果の賜物なので、みんなで分けるという考え方に基づいてます。

吉田
吉田
四宮
四宮

うちも、決算賞与で出たうちの何割かを全員で山分けするというやり方です。
海賊山分け方式と呼んでいます(笑)
そこは新人だろうがベテランだろうが関係なく。

これがあるからこそ、評価という部分がうまく回っているのかも。
決算時期が近づくと、「なんとか売上確保しなければ!」という鬼気迫る感じじゃなくて「みんなでもう少しボーナス増やせるかもしれないぜ〜」というノリが生まれている気もするので。「お宝探しに行こうよ、まだあるかもよ」みたいな。

松本
松本

うちは決算賞与ではなくて基本給の◯ヶ月分って形ですけど、一律の数字を掛けて渡している。皆、似たような経営をしてますね。

ただ今後もこの方法でいいのかは、考えるところです。
うちは第二創業期に入るので、今後実現したいことのためにドライブをかけていくような人材に対して・・・既存メンバーとの給与のバランスというか。

真剣な表情でお互いの経営について想いを語る二人
四宮
四宮

うん。絶対に、そういう問題は経営してたらありますよね。下手したら「自分の年収より高い金額を払ってでも欲しい人材」って出てきます。

だからこそ、賞与を基本給ベースにしない理由はそこもあります。
基本給をベースに賞与が決まると、働いてくれてる側からすれば基本給の金額がより重要になってくる。

こうなると、基本給の査定と密接に結びつく評価制度を構築していく必要がある。だけど、自分(経営者)はシンプルに管理したい。
だからうちは基本給に連動しすぎない評価制度にしたいなと思ってます。

松本
松本

この話だけで座談会の時間終わっちゃうね。(笑)
でもこれ、リモートワークにすごく関係あると思っていて。結局は、場所を問わず働きながらより良い成果をあげていって、それを社員に還元しましょうって話だから。

四宮
四宮

還元っていうところでいくと、全て給料か?という話でもある。
これからは何でもかんでも対価は「お給料」という時代でもなくなっていくと考えています。
それこそ自由な働き方ができる、というのも立派な対価だし。特にうちらみたいにリモートワークでやってる会社だとますますそういった考え方は大切ですよね。

サリー:福利厚生的な捉え方ですよね。この会社で働く特典、というか。

四宮
四宮

これからは新しい、「ここの会社で働く特典」がどんどん必要とされる時代なんじゃないかな〜と思いますね。

サリー:例えば皆さんの会社でも取り組んでいる「特典」って何かありますか?

四宮
四宮

うちは就業時間が一律じゃないところですかね。
例えば「子どもの保育園送り迎えいってきます」とか、「おばあちゃんを病院連れて行きます」とか、業務の途中で抜けてもそれを”午前休”や”半休”という形で管理しているわけではありません。
ただ他のメンバーに「抜けてるよ」って教えてくれていればそれでいい。
働くゴールデンタイムって人それぞれ違うから。

その代わり、セルフコントロールできない人は難しいですけどね。
新人さんとか、まだセルフコントロールが難しい人には、こちらからある程度ルールを決めてあげるっていうのが大切かなと思います。

新卒とリモートワーク

サリー:新卒採用を今年初めてジョイゾーさんはされたそうですが・・・今年はコロナウィルスの影響もありイレギュラーではあるかと思いますが、新卒でいきなりフルリモートってどうですか?

四宮
四宮

そうですね。以前からインターンで来てくれてた子で、完全なる新卒とはちょっと違うんですけど。まぁでも新卒は新卒なので。4月からいきなり初めてのフルリモートで本人は少し不安がっていました。しかも釧路から上京して初めての一人暮らしで。
先に挙げたような日報とか雑談でのコミュニケーションでだいぶ緊張感は解けたようでした。

(コロナの影響で緊急テレワークしている)他社の新卒の子は、「会社にレポートを提出する毎日で誰とも喋ってないんですけど」と不安がってる子もいるようです(苦笑)

サリー:逆に普段からフルリモートで全員働いている会社だからこそ、新人でも最初から業務に参加できているんですね。

四宮
四宮

そうですね。うちは提供するサービス自体、社内外の打ち合わせがzoomやクラウド上で完結してしまうので。提供するサービスによって、この違いはあるでしょうね。
一切パフォーマンスを落とさずできる環境であったというか。

松本
松本

本当にそれはリモートワークの1番のメリットですよね。
でも、僕は「在宅ワークしなさい」っていうつもりはないんです。「どんな場所でも好きなように働けるようにしなさい」って思ってて。

なぜかというと、僕自身”在宅ワーク”は苦手なんです。じっとしてると腐っちゃうタイプで(笑)色んなところへ出かけていって、色んな人と会って仕事をしていたい。
だから「どんな場所にいても同じように働ける、パフォーマンスを発揮できる」働き方ってすごく大切だなと強く思ってます

今回の座談会で「リモートワークだから」大きく変わることって実はそんなに無いのかなということを改めて実感しました。もちろん、”働き方”の面では家庭や介護との両立、場所を問わない働き方などで自由度は格段に変わると思います。しかし、働く上でのコミュニケーションや評価についてはリアルでもオンラインでも全く変わらない点も多かったです。
働き方改革やコロナウィルスをきっかけに、リモートワークでの経営に向き合っている方のヒントに少しでもなれていれば幸いです。

座談会の参加者プロフィール

株式会社ジョイゾー
代表取締役 四宮靖隆(しのみや・やすたか)
1976年東京生まれ。2010年に株式会社ジョイゾーを設立。2011年のkintoneサービス開始と同時に、kintoneSIをジョイゾーのメインビジネスとする。kintone の導入実績の豊富さや知識の深さから、Mr. kintoneと呼ばれる。
kintone(サイボウズ社)をベースにした定額システム開発「システム39」などを提供。

株式会社コラボスタイル
代表取締役 松本洋介(まつもと・ようすけ)

元バーテンダー。起業前から合計3つのワークフロープロダクトを手がける。2013年に株式会社コラボスタイルを設立。「場所を選ばない働き方を進化させよう」を軸としたクラウドワークフロー事業を展開。誰でも簡単に直感的にワークフローが作れる「コラボフロー」を提供。

株式会社ソウルウェア
代表取締役 吉田超夫

1975年大阪府生まれ。2012年に株式会社ソウルウェアを設立。2016年頃から社員の引越しなどを理由にわずか半年間で全員フルリモート勤務の体制を築く。勤怠管理・交通費精算クラウド「kincone」、kintone帳票プラグイン「RepotoneU」シリーズなどを開発・提供している。