リモートワークを前提としたチーム拡大への課題

弊社では全社員がフルリモートワークをしています。引っ越しなどの物理的な退職はこれで免れていますが、残念ながらこの働き方や弊社の環境にミスマッチを起こし退職する従業員もゼロではありません。このことは経営者としては重く受け止めており、今後に向けて改善が必要だと考えています。そこで、リモートワークを前提とした「チーム」の抱えている課題や「人」の適正について、この場を借りて自分の考えをまとめておきます。

チームの抱える課題

ソウルウェアは 2019年8月時点、チームとして必要最低限のアウトプットはできており、売上・利益ともに伸びているので外形的には大きな問題を抱えているというわけではありません。

しかし、今日の社会情勢を踏まえれば現状の好転的な状況がそう長く続くとは考えていません。 今後数年という短いスパンで考えた場合でも社会の「変化」に合わせて自分たちも「変化」することが必要です。

チームとして「変化」するためには、いま一緒に働いている自分たち自身が変わることも重要ですが、 現在のソウルウェアのような小さい組織では、外部から新しく優秀な方が加わってくれたときのチームへの影響はとても大きいものになります。

そこで現状のチームに目を向けた場合、残念ながら受け皿としては不十分で、新しく加わってくれた方が定着しにくい状況に見えるので、今後、より多くの外部の方に興味を持ってもらい、面白いと思ってくれた人とは一緒に長く働けるような環境を作るために、まずは自分たちがどのように変われるのかを考えたいと思います。

課題1 リモートワークにおける「場」について

リモートワークの先進企業であるソニックガーデンの倉貫さんが「場」ということを言っています。

私は「場」というものについて、 リモートワークであるかどうかに関わらず「チーム」をより良く機能させるには必要なもので、「チームが『情報』だけでなく『感情』や『思い』なども含めて共有する場所や雰囲気」を指す、と理解しています。

この「場」を作るためには業務に必要な情報の共有だけではなく「感情」や「思い」を伝え合う必要があります。通常のオフィスを持つ企業であれば、 隣の同僚に「ねぇ」と気軽に声をかけやすかったり、喫煙所や飲み会での砕けた雰囲気の中で会話することも多いため、感情や思いは自然に伝わっていきます。しかし、リモートワークが前提となると、業務以外の非公式なコミュニケーションというのはお互いが意識しないと発生しにくいので、感情や思いはかなり伝わりづらいと言えます。

ソウルウェアではリモートワークに移行する際、「チャットツール上での雑談」をもっと増やそうと言ってきましたが、残念ながら非公式なコミュニケーションは今も不足しているのが現状です。つまり、先で定義した「場」としては残念ながらまだ不十分だと考えています。

課題2 心理的安全性の不十分

心理的安全性(Psychological Safety)という言葉があります。昔からある心理学用語で「誰かの反応に怯えたり、恥ずかしがることなく、自分のことを発言したり表現出来たりできる状態・雰囲気」のことを指します。以前Googleが行った労働改革プロジェクトの結果報告の中で、成功するチームには必要不可欠なものとされています。

ソウルウェアでの非公式なコミュニケーション不足の原因として、一番大きいのは心理的安全性が十分に確保できていないということがあげられると思います。

心理的安全性とコミュニケーションの問題は、ニワトリとタマゴのようなもので、どちらが先か?という問題でもあるのですが、新しくチームに加わった人からの視点に限定すると、それは間違いなくコミュニケーションの部分が先です。

既存のチームメンバーでさえ心理的安全性を確保できていないと感じている中で、新しくチームに加わった人の為に自分の思いを共有していくことは大変かもしれません。
しかし、これからのソウルウェアには必要な変化なのでまずは私から変わろうと思います。

課題3 アウトプットのクオリティ基準がバラバラ

ソウルウェアという会社は私が立ち上げた会社ですが、私を除く7名の従業員のうち4名は以前勤めていたいくつかの会社で一緒に働いていた人たちです。それなりに苦楽を共にし、いいものを作ろうと頑張ってきたので私がアウトプットに求めるクオリティというものをよく理解してくれていると思っています。

ですので、プロトタイプであったとしても初期アウトプットの段階で一定水準以上のものが出てきますし、アウトプットとして出てくる前のコミュニケーションの取り方にも無駄がないため、あまり内容について指摘したりされたりということが少なくなっています。

しかし、新しく加わった人は、それまで居た組織で求められていたクオリティや自分自身のバックグラウンドによってクオリティの基準は異なります。ソウルウェアの基準としては無駄と思えるまでに時間をかけたり、逆にアウトプットのクオリティそのものが低かったりします。するとダメ出しが多くなり、ネガティブなコミュニケーションが増えていきます。

この時、かなり気をつけないと指摘する側も指摘される側も大きなストレスを抱えてしまうことになります。

チームのため、人の成長を促すために「指摘をしない」という選択肢もあることは理解しています。しかし、ソウルウェアという組織の強みはアウトプットのクオリティにより支えられている部分が大きいので、残念ながら今現在は「指摘をしない」という選択はできません。

「人」のリモートワークへの適性

これまでいろいろな人と一緒に働いてきましたが、 先に上げた組織としての課題はありながらも、残念ながらすべての人がリモートワークに向いているとは思えませんでした。

チーム内のコミュニケーションに問題がある場合、通常のオフィス勤務でも当然ネガティブな思考になってしまうものですが、リモートワークの場合には、さらにその傾向が強くなります。さらに、リモート環境特有の孤立感にも囚われやすいので、ネガティブな感情をうまく処理できずに負の連鎖に陥ってしまいやすいのだと思います。

もちろんチームとしての問題を解消することが最重要なのですが、何も問題のないチームというのも存在しないと思いますので、採用のプロセスでお互いをよく知り、リモートワークに向いていない方はお断りするほうがお互いのためかと考えます。

現時点で私が向いていないと考えるのは以下のような人です。

好奇心のあまりない人

リモートワークを行ううえで業務に必要なリソースはすべてクラウド上にあり、必要な情報は探せば見つかるという状況です。しかし、好奇心が少ないと探すことを行わずに必要な情報が共有されていないと感じる傾向があるようです。

また、コミュニケーションという意味でも他人の発言に興味を持たないので、こちらからいくら情報発信をしてもなかなか打ち解けることができません。

過度な自信家、あるいは自身がなさすぎる人

リモートワークではチャットが主なコミュニケーション手段となります。絵文字を使ったり、できるだけやわらかい印象を受けるように言葉を選んだりしたとしても、アウトプットに対して指摘された場合にはネガティブにとらえすぎてしまうようです。

課題を解決する為に

ここまで、組織が抱える課題と、適性のある「人」について述べてきました。ソウルウェアとしては組織が抱える課題を解決することが重要です。中でも「場」を作るということにおいて、まずは取り組んでいきたいと思っています。
その為に、まず一番必要なことは非公式なコミュニケーションを増やし、チームワークの質を高めることが重要だと思うので、以下のような取り組みができないか検討します。

代表と社員の距離を縮める

弊社のような小規模な組織だと、代表と社員はより距離の近い存在でいたいものです。メンバーが直接業務と関係のあることでも無いことでも、気軽に相談できるようにしたいと考えています。そこで、それほど暇でもないのですが、あまり忙しそうにしていると話しかけづらいとおもうので毎週か隔週の決まった曜日にZoomをつなぎっぱなしにしてビールでも飲みながら情報収集をする時間を取ろうと思っています。

業務時間内の飲み会

チームで食事をする機会を増やせればと思っていますが、この飲み会も業務の一環と捉えて業務時間内に開始して18時くらいには解散するような形にしていきたいと思っています。

全社会の定期開催

上で挙げた内容と関連して、いまのソウルウェアには全社員が集まるような定期行事がありません。東京以外に住んでいる社員も含めて全員集まるにはコストもかかりますが、定期的に集まって実際に顔を合わせることによるメリットも多いのでコストをかけてでもやるべきかと考えています。