ソウルウェアでは、2つのサービスを提供しています。「RepotoneU シリーズ」という帳票出力サービス(kintone(提供:サイボウズ社)と連携可能)と、「kincone(キンコン)」という勤怠・交通費精算クラウドです。 この2製品を提供しているためか、「kintone」界隈の方から、勤怠管理の相談を受けます。『「kintone」で勤怠管理を行うべきか』という内容です。

「kintone」は様々な業務に対応できる一方で、本当に「kintone」で管理すべきかを悩まれる方が多いと思います。本記事ではこの疑問にお答えしたいと思います。「kintone」で勤怠管理を検討/提案されている方はぜひご覧ください。
kintoneで勤怠管理を行うべきか
結論としては、次のようなケースはオススメです。
①「kintone」をすでに全社導入済みである
②「kintone」を勤怠管理意外の用途でも検討している
③自社の社員数が少ない
一方で次のようなケースではオススメしません。
④「kintone」を勤怠管理”のみ”での利用で、かつ”新規導入”するケース
1つずつ解説していきます。
①「kintone」をすでに全社導入済みである
「kintone」を全社導入済みであれば、「kintone」での勤怠管理は良いと思います。理由は、追加コストがかからないからです。「kintone」の料金体系は、月額¥1,500/1ユーザー(税抜)です。利用ユーザー数が増えれば、費用は増加します。
一方で、アプリの数が増えても費用は変わりません。(※最大は1,000個まで)「kintone」上で勤怠管理を行う場合は利用アプリが増えるだけです。追加ライセンス費用がかからないため、導入する際に、社内の起案がしやすいです。アプリを構築する手間はありますが、「kintone」を全社導入済みであれば、「kintone」で勤怠管理を行うことはオススメします。
②「kintone」を勤怠管理の用途意外でも検討している
「kintone」は様々な用途で利用できます。例えば、顧客管理や営業管理、採用管理、タスク管理など、勤怠管理の用途意外で利用できます。「kintone」を勤怠管理として導入する際に、他の用途と一緒に導入することはオススメです。理由は、複数の業務を1つのシステムにまとめられるからです。システムをまとめられると、システムの管理の手間が減ります。
例えば、営業管理と勤怠管理を行いたい場合、通常はシステムを別で導入する必要があります。そうすると、システムのユーザーの管理、契約手続き、ユーザーへの説明など、2倍手間がかかります。しかし、「kintone」でまとめれば、その手間を減らすことができます。このように他の用途で、システム検討している場合は、システムをまとめるメリットが発生するので「kintone」はオススメです。
③自社の社員数が少ない
自社の社員数が少ない場合も「kintone」での管理はオススメです。具体的には5〜10名くらいの社員数の場合です。理由は2つです。
まず1つめの理由は、社員数が少なければ、勤務体系もシンプルなことが多いです。管理するパターンが少ないので、「kintone」で構築した勤怠管理でも十分に管理できます。
2つめの理由は、②でお伝えしている内容に近いのですが、システムをまとめることができ、費用を抑えられるからです。「kintone」を他のシステム「顧客管理」や「採用管理」として利用すれば、システム利用費を抑えることができます。小規模の企業は、小さな出費も抑えたいところです。システム利用費を増やさないためにも、「kintone」を選択することはオススメです。
以上、3つの場合は、勤怠管理を「kintone」で管理することをオススメします。では「kintone」での勤怠管理について、慎重になったほうが良いケースはどんな時でしょうか?
④「kintone」を勤怠管理”のみ”かつ”新規導入”のケースは、慎重に検討すべき
「kintone」を勤怠管理”のみ”かつ”新規導入”する場合は、慎重に検討した方が良いです。理由は、導入の説得が難しいからです。社内でシステムの利用を起案する場合は、他社システムとの比較が求められます。勤怠管理の場合は、他社の勤怠管理専門システムと比べられるでしょう。
勤怠管理専門システムの費用の相場は、月額¥200~500/1ユーザーです。一方で、「kintone」は月額¥1,500/1ユーザー(税抜)です。勤怠管理”のみ”で比較する場合は、専門性と金額面からビハインドがあるため、説明が大変です。そのためオススメしていません。
勤怠の種類が多い場合も、慎重に検討すべき
勤務体系が複雑な場合もオススメはしません。理由は、勤怠アプリの構築に手間がかかるからです。例えば、時短勤務制やシフト勤務制、フレックスタイム制など、勤務体系を複数採用している企業では、勤務パターン別に勤務情報をまとめる必要があります。「kintone」では、この集計の仕組みを勤務体系別に用意する必要があり、手間がかかります。
また勤怠を記録するだけでなく、集計を行いたい場合、「kintone」のカスタマイズが必要です。例えば、有給残管理を自動集計したいときです。有給残管理を自動集計する場合、「kintone」ではタイムカードアプリと有給残アプリを用意し、「kintone連携サービス」か「JavaScriptカスタマイズ」で集計の仕組みを構築する必要があります。アプリ構築の手間と、追加の連携サービス費用がかかります。
提案者も慎重に提案した方が良い
導入する立場の懸念点を記載しましたが、実は提案する立場の方も注意が必要です。理由としては、勤怠管理用途”のみ”で「kintone」の”新規導入”を提案しても、導入に至らないことが多いからです。なぜ導入に至らないかというと、勤怠管理専門サービスに比べて、「kintone」は、ライセンス費用が高いからです。
「kintone」が他の用途で使えるなど、提案範囲を拡張できれば問題はありません。しかし、勤怠管理を検討しているお客様は、勤怠管理”のみ”を検討範囲としている場合が多いです。その場合は、他の勤怠管理システムと比較されると、「kintone」が機能不足や割高に見えてしまうこともあります。提案のひと工夫が求められます。
勤怠管理は、専門システムに任せるのも一手
上述してきた通り、「kintone」での勤怠管理は、勤怠管理”のみ”の用途で、”新規導入”の場合、費用対効果を説明しづらく、社内説得が難しいです。その場合、「kintone」での勤怠管理を諦めて、勤怠管理専門システムの導入/提案をすることも選択肢です。
また「kintone」をどうしても導入/提案したい場合は、「kintone」は、勤怠管理ではなく、「シフト管理」や「工数管理」など、勤怠周辺業務で「kintone」を活用したほうが、導入しやすい場合もあります。本ブログでは「kintone」と勤怠管理サービスの「kincone(キンコン)」を組み合わせた利用例も紹介しています。よろしければ、参考にしてみてください。
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「kintone」で勤怠管理を考えている皆様の参考になれば幸いです。