
幕張メッセで開催されたCybozu Daysの「kintoneAWARD2020」で見事グランプリを受賞された株式会社東京ドーム。イベント事業での申請フローや管理にRepotoneUが一役買っていると話を聞いて、その使い方を東京ドームのkintoneマスター、望月さんに取材させていただきました。
紙ベースの業務をクラウド化へ。
kintone導入の経緯

まずは先日のkintoneAWARD2020、グランプリ受賞おめでとうございます!
受賞の反響はいかがですか?


社内からの反応がすごくよかったです。
社内広報で知ってくれて「おめでとう」とか「見たよ!」と声をかけてもらえて。
kintoneを社内に広めていくっていうことに関してかなり貢献できた手応えを感じたんですね。


そうですね。やっぱり一番になるのとならないとでは違うというか。
なるほど。今後はサイボウズさんからも取材の声がかかったりして、また社内での話題になりそうですね。
さて、kintone導入のきっかけを改めて教えていただけますか?


もともとは色んなツールを探していた1つの選択肢であったわけですけど。
東京ドームは「会場」ではあるんですが、場を提供する立場としてはレアな”自分たちでイベントを企画している会場”です。
ブースを立てて企業さんを招いて色々なイベントを開催しています。
年間を通して4つほど大きなイベントがあり、全部で1000社くらいとやりとりが生じます。それがもともと全部紙ベースだったんですね。
これをなんとか業務改善したいと。
それでkintoneに出会いました。
例えばどんなイベントをやっていて、どんな企業様が参加するんですか?


一番わかりやすいのは「ふるさと祭り東京」でしょうか。
全国のお祭りと、ご当地グルメが一同に介するイベントです。
北は北海道から南は沖縄まで、日本全国の小売店様や飲食店様が集まって、催しや美味しいものを振舞います。
楽しそうですね!
その中で紙の業務をクラウド化するっていうのは具体的にどんな情報を扱っていたんですか?


まずは出展者様のデータベース作り。いわゆる顧客マスタですね。
例えば「ふるさと祭り東京」は2009年に第一回開催があってからほぼ毎年続いていますが、毎年毎年、出展者様からもらった情報をExcelに手打ちしていました。
でも実は毎年、企業情報ってそこまで大きく変わらないので・・・結構リソースを割いてたんです。
次はイベントを進めるにあたって、多くの申請書が必要になります。
飲食を伴えば保健所に提出するものだったり、我々が必要なIDの管理や車両の管理など。一番多いと20枚以上必要になったりします。
これらがそもそもは手書きの紙ベースで行われていました。
3、4年前からExcelにしてメールで送っていいよ、というところまでは進めていたんですが整理するのにまた別のExcelに転記する・・・というような作業が発生していた為、そういった無駄を無くしたいのがクラウド化を求めた始まりでした。
どのExcelが最新かわからない、などのトラブルも出てきますもんね。
今、紙の話がたくさん出たのですが、その全てをkintone導入後はRepotoneUで作成していただいた感じですか?


全てではないんです。
出展者様から情報を入力していただくのはフォームから作成しています。保健所の申請など役所に提出するものは紙で出力する必要があるので、そこにRepotoneUを使っています。
役所側で用意されている用紙はkintoneにそのまま使えないものもあって。
ようは「項目に◯をつける」とか。これは保健所と「◯ではなく単語で出力されるけどいいですか?」と何度か確認を繰り返してkintone上で出力できるように様式を整えました。
伴走してくれるパートナーを見つける
今回はミューチュアル・グロースさんとその辺を一緒に開発していかれたと思うんですけど、なぜパートナーにミューチュアル・グロースさんを選択されたんですか?


こんなことがやりたいっていう話をまずはサイボウズの営業さんに話して、何社かパートナー企業をご紹介いただきました。
コンペとまではいかないですけど、ご提案をそれぞれからいただきました。
正直に言えばミューチュアル・グロースさんより安いところもありました。
あったんですが、安いけど作ったらおしまいです、という形だったり。
それはkintoneの手軽さで言えば全然いいんですけど私たちがやりたいこととはマッチしなかった。
kintoneを、私含めて誰も使ったことがないので、初めて使うのにいきなりプラグインを入れて自分たちで実現していくのは難しい。段階を踏んで年間通した業務の改善を一緒にやっていける方達にお願いしたかったんです。そういう提案をしてくださったのでミューチュアル・グロースさんに決めました。
寄り添って一緒のチームとしてやっていく、そこが一番お願いしてよかったと思っています。


kintoneの導入も、最初は私が1人でサイボウズデイズに行って色々見て「いいな」と思って決めたわけですが、実際に業務でkintoneを使用するのは私じゃない人が使うわけですよね。
例えば先のイベントで言えば出展者管理のチームだったり。彼らにとっては「kintoneって何?」から始まるので、社内レクチャーを含めて一緒に協力してくれたりするのは心強かったです。
kintoneは自分たちで作る部分と、専門的な知識が必要でお願いしないと作れない部分もあったりすると思うんですがその辺りの棲み分けはどのようにされましたか?


基本的なデータベースはこちらで準備していました。
問い合わせ管理とか、拾得物管理の雛形とか自分たちだけで使うものはよかったんです。でも出展者管理は私たちだけで使うものではなく、出展社様にもフォーム入力などしてもらう必要があったので、下手に素人が触ってうまくいかない形で運用するのは嫌だなと思っていました。
なのでその辺はプロにお任せして、フォーム設定とかRepotoneUの設定とか最初に丸投げしちゃいました。作り方を我々も横で見て勉強しながら。
見てればなんとなくわかって、次は自分たちでできる幅も広がってきますよね。

RepotoneUはExcel出力を評価!
RepotoneUを使ってみて、実際にいかがでしたか?要望も含めて。


便利であることは間違いないです。直感的に使えるところもすごく気に入っています。
Excel作成は本当に便利に使わせていただいてますよ。
ありがとうございます。
RepotoneU以外で使っているプラグインは?


フォームブリッジ、kMailerあたりですかね。
帳票では(上記を提供するトヨクモ社の)プリントクリエイターではなく、RepotoneUを選択したのはやはりExcel帳票に対応している点ですね。
ありがとうございます(笑)

kintone導入を迷っている企業へ向けて
今回、アワードも受賞されたわけですが、改めて他の企業に向けてkintone導入にあたって、アドバイスはありますか?


まずは社内で少しでも利用してみることだと思います。
実は私は最近部署を異動したんですが、異動先の部署ではkintoneをまだ使ってないんです。新部署で、kintone内に視察に行った時用のアプリを作ってRepotoneUを使って報告書出したりするのを目の前でやってみせたら「すごい便利だね!」って言ってもらえました。実際に新しい部署でも今導入を検討しています。
いいですね!部署ごとのミニマムスタートはサイボウズさんも薦めている導入方法です。


でもアワード優勝したこともすごく大きいと思います。
事例が増えていくっていうのは1つ重要なことだと思いますが、さらにグランプリを取ったことで「話を聞いてみたい」「すごい!」って思ってもらえたと思います。(笑)きっかけが生まれやすい。
”システム”が出来上がるまでってすごく時間がかかったり、ハードルが高かったりすると思われていますから。身近な人が突破してくれたというのは励みでしょうね。


おっしゃる通りです。私もシステムに対してハードルをあげていました。
でもkintoneを利用して全然そんなことないなって実感しました。
そしてそういう人たちっていうのは「システムが1つできれば、全部が解決する」と思っていて。今ってそうじゃなくて、「必要なシステムを組み合わせていく」ものなんですよね。
どっちみち、使っていないとその考えには至らない。その考えを知るだけでも全然違いますよね。

サイボウズさんや我々パートナー企業など、kintoneを中心にしたコミュニティがあると思いますが、全体に「こうだったらいいのにな」と思うことはありますか?


コミュニティがすごくしっかりしている分、新しい人たちがそろそろ気軽に参加しづらいんじゃないかなって気はしていますね。既に繋がりができてしまっている中ってやっぱり入りづらいので。
新陳代謝を活発にというか、新しい人たちもどんどん混ざっていきやすい空気作りを我々もアプローチしていく必要がありますね。


まだまだこういうビジネスコミュニティの中では入りやすい方だと思いますけどね。あと、”あったかい”のは間違いないと思います。誰でもウェルカムな感じが。
そうですね。最初の一言だけ勇気がいるかもしれないけど、声をかけたらみんな温かく迎え入れてくれます。
今日はたくさんのお話をお聞かせいただいて、ありがとうございました!

お話を聞かせてくれた方々

望月 秀吉 (株式会社東京ドーム)
2006年東京ドーム入社。
野球グッズやコンサートグッズの物販事業の担当や直営飲食店の販推担当を経て、2011年より自主イベントの制作部署に異動。「ふるさと祭り東京」や「テーブルウェア・フェスティバル」などのイベントの制作チーフを9年担当。2019年よりkintoneでイベントの制作業務中心に在宅勤務対応などの業務改善に取り組む。

澤田 周五郎 (株式会社ミューチュアル・グロース)
セールスプロモーション部 部長。
複数のIT会社で営業職、食品貿易会社で商品企画担当を経て2016年に株式会社ミューチュアル・グロースの設立メンバーとして入社。
kintoneを介した継続的な業務改善支援サービスであるStrution(ストリューション)の企画・立ち上げを行い、現在まで20社を超えるお客様の業務改善プロジェクトに携わる。

株式会社ミューチュアル・グロース
社名の日本語訳である相互成長をコンセプトに、kintoneを介した継続的業務改善支援サービスであるStrutionやkintone関連サービス freio(フリオ) を提供しております。
soulwareの広報担当、サリーです!「幸せな働き方」への情報を中心にソウルウェアの様々な取り組み、イベントの様子、たまには雑談などを発信していきます。