頑張らない社内浸透と宛名ラベルのイベント来場分析活用術(おもいかなうリフォーム/有限会社矢内石油リフォーム事業部)

RepotoneU 導入事例紹介
サイボウズ社の前で写真を撮る矢内氏
サイボウズ社のエントランスで撮影した矢内氏

業種:住宅リフォーム事業

事業規模:17人

利用用途:

・イベント運営業務(宛名ラベル)

・経費申請書類など日々の業務で利用

会社HP:https://omoikanau-reform.jp/

福島県中島村で半世紀にわたり地元に愛されてきた老舗ガソリンスタンドの矢内石油。矢内氏がその4代目として入社したことをきっかけに代々の家族経営で属人化した仕組みを改善するためkintoneを導入しました。同時に立ち上げを行なっていたリフォーム店「おもいかなうリフォーム」では、帳票作成プラグインであるレポトンも巧みに業務フローに組み込み社内の申請業務やイベント来場分析に活用をされています。その活用術と自然に社内浸透されるコツをお聞きしました。

ポイント
一度見せればすぐに使えるkintone内で完結する簡単な設定が導入の決め手
レポトンの宛名ラベル出力とkrewSheetでイベント来場データを分析できた
自然な業務フローで頑張らない社内浸透ができた

目次

導入背景:一度見たら使えるほど簡単な設定が決め手

事業内容について教えてください。

”おもいかなうリフォーム”はキッチン・お風呂・トイレ・洗面・外壁など、水まわりから改装までリフォームのことならなんでも相談にのっているいわゆる地域密着型のリフォーム専門店です。2011年の東日本大震災を機に「くつろぎの場を増やす」ことをミッションとして運営をしています。今では3店舗に拡大し、オリジナルのキッチンなどの開発・販売も行っています。

おもいかなうリフォーム店
おもいかなうリフォームの店舗の写真

レポトン導入前の課題を教えてください。

まず、レポトンの導入の前に必要不可欠なkintoneですが、こちらは家族経営で属人化した情報を共有するために導入しました。kintoneにさまざまなデータを入れることで、kintoneが業務フローに組み込まれていった一方、社内のあらゆる申請業務については従来の方法のまま置き去りになってしまいました。

加えて課題となったのが、発注先や施主に送るデータのFAX送信の業務です。顧客管理や案件管理はkintoneにデータがあるけれど、そのデータを外部に送る場合はFAXを利用するためにPDFへの転記が必要でした。人の手で行うものですから、当然ミスもあります。ミスをするとその後のフォローもイレギュラーな対応になってしまいます。しかも、あらゆる社内の帳票のフォーマットは個人管理をしていて、作成するたびにシートを複製しておりとても煩雑なやり方だと感じていたため帳票作成への課題はたくさんありました。

インタビューに応じる矢内氏
インタビュー時の矢内様の写真

色々なツールの中でレポトンに決めた理由を教えてください。

一番は設定が簡単だったことです。管理者としてもストレスフリーでしたが、私以外の人も自然に使えるほど簡単だと思います。導入のときも、最初ささっと私が設定しているのを従業員に見せると、次からは一人でレポトンを設定できていたほどです。

また、レポトンは出力形式としてPDFとExcelの二つが自由に選択できるところがとても良かったです。kintone上でPDFをFAX送信する必要があったのでPDF出力はマストでした。加えて、kintoneからExcelの出力ができるとそのExcel内で作業(修正や追加)をして、最終的には自分でPDFにエクスポートしてアウトプットすることができます。業務に自然に溶け込む流れでkintoneを利用する仕組みが作れるので、一度Excelに出しておくという選択肢があるのは選ぶ上でのポイントとなりました。

最後に価格面ですが、kintoneのデータを紙や電子ファイルにすることは必要不可欠だったので、利用頻度が高いとわかっていた分価格のハードルも超えやすかったです。

利用方法1:経費申請書の出力で活用

“経費申請書”の出力の場合の利用方法とその効果を教えてください。

レポトンの経費申請書としての利用方法と効果
経費申請書でのレポトンの利用方法と効果

課題に挙げた申請書の申請業務で利用しています。導入前はリフォーム現場を担当する社員が会社のキャビネットにある白紙の申請書を取り、手書きで記入して社長に申請していました。kintoneにはプロセス管理の機能がありワークフローが完結できるのは知っていましたが、その方法だと承認をする社長もkintoneを常に使う必要があり、運用が難しいと思っていました。レポトンを使うことで、申請者(kintone利用者)は経費精算アプリから経費申請書を1クリックで作成し、印刷したものを社長(kintone非利用者)へ提出するフローが構築できました。

経費申請業務にレポトンを導入する前と後
経費申請業務にレポトンを導入する前と後の比較

以前は手書きで作成していた書類がボタン1クリックで必要な項目を自動で転記し作成できるため、作業時間の削減と申請ミスも減少したように感じます。

kintoneのアプリからマウス操作で申請書を作成できる
経費申請アプリの詳細画面からボタンを押すとレポトンで経費申請書(PDF)が作成されるイメージ

利用方法2:宛名ラベルをイベント来場者の分析に活用

“宛名ラベル”の使い方とその効果を教えてください。

レポトンの経費申請書としての利用方法と効果
イベント来場者分析でのレポトンの利用方法と効果

住宅リフォームという業界柄イベントを実施したりすることが多いので、イベント誘致の際のDMの宛名ラベルの出力に利用しています。そして、来場者が持参したDMに印字してある顧客番号をイベントスタッフが、その場でkintoneに入力して過去のリフォーム履歴を調べたり来場記録をつけたりしています。過去のイベントの来場履歴はアプリに入っているので、来場人数などを分析して当日までの運営に役立てています。

イベント来場者の分析について詳しく教えてください。

レポトンの宛名ラベルを設定したkintoneのシステム構成
イベント来場者の分析で利用しているkintoneのシステム構成図

DM送付に利用する宛名ラベルには「お客様名」や「住所」などのほか、kintoneに登録している顧客番号を自動で印字されるように設定しています。一方イベント来場記録アプリには、来場者が持参してくれたDMに記載の顧客番号を入力すると、自動で来店日時が入力される(krewSheetの機能)ように設定をしています。その顧客番号に紐づいた案件情報や修繕記録などを確認すると、いつどんなリフォームを注文しているか把握し来場者であるお客様に対して適切なコミュニケーションをとることができます

レポトンとkintoneのイベント来場記録アプリの利用イメージ
宛名ラベルを活用したイベント当日の業務フローとイベント来場記録アプリの活用イメージ

分析ですが、こちらはkintoneの標準機能のグラフの活用です。イベントごとの来場者グラフを見ればどの時間帯の来場が多いか一目で確認できるように分析できるというわけです。この分析によって、過去のイベント情報を参考にノベルティやチラシなどの準備物や当日のスタッフのタイムスケジュールなどを組みやすくなりました。当日の準備不足のための対応が減るので来場者の対応に集中して取り組めています。

来場時間帯ごとの来場者グラフの活用で運営の最適化ができる
イベント来場記録アプリに構築した分析用のグラフ

社内浸透:頑張らない社内浸透

レポトンの利用状況について教えてください。

現在活用しているアプリは100〜110個程ありますが、その内レポトンを設定しているアプリは29個です。贅沢品として使うより、必需品としての使い方のように感じていて、それぞれの利用方法に特別な派手さはないけれど、必要不可欠なツールになっていると思います。

レポトンを29個のアプリに適用し幅広く活用している画像
kintoneのプラグインに設定しているアプリの管理画面(29個のアプリにレポトンを設定していることが分かる)

レポトンの社内展開方法について教えてください。

正直そこまで苦労はしていません。(笑)

というのも社内での必要性がしっかりあったので、「頑張って入れよう!」という感じではありませんでした。レポトンを入れる前だとできなかったものを、こうすれば簡単に書類が作れるからと従業員に実演するだけで良かったです。

一つ社内研修用に作ったアプリを紹介させてください。NASAゲームというゲームを社内研修で活用しています。webフォームから回答を入力すると自動的にkintoneのアプリにデータが登録されます。(フォームブリッジの機能)そのデータをレポトンで出力しゲームの回答を作成する仕組みです。楽しむ要素としてkintoneやレポトンなどを利用することで自然に慣れ親しむことができるため遊び心も大事にしたいポイントですね。

社内研修のNASAゲームにレポトンを活用し回答用紙をkintoneから出力している
社内研修で利用しているNASAゲーム用のアプリイメージ

導入効果:水のように自然と使えていること/作業効率のUPと書類作成のミスの防止

レポトンの導入効果について教えてください。

なんの不満もなく自然に利用できているということが一番の効果かと思います。正直、良い意味で特に盛り上がりもなく、大きな拒絶反応もなく”水のように自然と”導入し活用されてきました。

導入前の課題だった、社内申請などのフローや顧客管理や案件情報を利用した外部提出書類の作成にも活用できて作業効率も飛躍的に向上し、ミスの防止にも繋がっています。ミスが減るということはミスがあった場合のイレギュラー対応の時間も減るということです。現在の活用に満足していますね。

今後の展開:バーコードやQRコードの出力機能を活用した在庫管理への展開

今後の展開について教えてください。

レポトンの機能であるバーコードやQRコードの活用をこれから利用してみたいです。在庫管理や商品の報告など・・・・現場のスタッフがバーコードやQRコードを読めばそれで完結する状態にしたいです。

これまでの話を思い返すと、kintoneの中にあるデータ(デジタル情報)をkintoneの外に出力する(リアル)ことで、レポトンがkintone利用者とkintone非利用者のハブ、社内の担当者と外部の担当者のハブになっているように思います。バーコードやQRコードの活用もkintoneのデータとリアルの情報(製品に貼り付けたシールの製造番号など)を結ぶことができるので、ただデータを出力するだけじゃないもっと先の未来が見える気がしています。

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