RepotoneU導入事例:福島の小さな田舎町を支えるガソリンスタンドの業務改善(株式会社矢内石油)

サイボウズ社にて矢内氏にお話を聞いてきました

福島県中島村で地域に愛されている老舗ガソリンスタンドがあります。「矢内石油」はガソリン供給だけではなく車のコーティングや家のリフォームまで、住民の暮らしに寄り添ったサービスを展開しています。その歴史は何と半世紀以上。

一方で代々の家族経営と昔ながらのやり方は属人化を生み、社内ではkintoneを利用した大きな業務改善が行われました。kintoneの帳票プラグインであるRepotoneUを使って請求書や見積書の発行に活用しているというお話を聞いてきました。

母の頭の中にあるデータベースをkintone導入で見える化。

ー矢内さんが中島へ戻り矢内石油の経営に携わった当時、会社の状況として、業務のほとんどはIT化されていなかったんですか?

矢内
矢内

はい。ほとんどアナログです。そもそも全ての業務に必要な情報は母の頭の中で管理されていました。
それまで一般企業で働いていた僕は全く仕組み化されていない状態で業務が回っている世界に戸惑いましたね。

3ヶ月間毎日、母と面談し彼女の頭の中にあるデータベースをExcelに書き起こすことから始めました。
この情報はExcelで言うドロップダウンリストがいいなとか、チェックボック
スがいいなとか整理をしながら。

バラバラの情報をレコードの考え方に当てはめていくような作業を始めたのが2010年当時です。

ーなるほど。kintoneを導入されたのはどうしてでしょうか?

矢内
矢内

しばらくExcel・メールなどをメインに顧客管理や社内共有をしていました。

2015年頃、サイボウズLive(サイボウズ社が提供していた無料のグループウェア。現在はサービス終了)を使い始めたんです。1番の目的は社内の情報共有でチャット機能を利用したくて。

ただチャットで顧客の情報をやりとりすると、結局そこには住所や電話番号、売上高、引継ぎ事項などの”文字列”が混在するんです。

複数行のやりとりの中でそれがパッと判別しずらい。
「情報を共有すると同時に、情報の整理もしたい」という欲が出てくるわけです。

他のサービスも検討しましたが、kintoneはパンフレットで見ていたのと、直近でサイボウズliveを使っていたこともあり親近感がありました。
kintone内でアプリもたくさん作れたりして、夢が湧いたというか(笑)

ー使い始めた時はいかがでしたか?

矢内
矢内

kintoneはトライアル期間が1ヶ月ありますよね。
日々の業務をしながらなんとなくトライアルを始めてしまうと、満足に触れないままあっという間に1ヶ月なんて消費しちゃうなと思ってしばらくスタートを渋っていました。

2016年の1月、記録的な大雪で街の交通網も大混乱し、「今日は仕事にならないな」という日がありました。
今日がチャンスだ!と思いお昼くらいから自宅に籠もってパソコンに向かいトライアルをスタートしたんです。

顧客リストの作成から始めたんですが、さっぱり分からなくていきなりサポートと4時間も電話しながら(笑)。
運用イメージは僕の頭の中にあったので、電話口でサポートの方と相談しながら教えてもらい、電話切った後も自分で色々設定して一晩かけて作りました。

ー「トライアル期間」ってなんとなく始めてしまうと時間だけがすぐに経ってしまいますよね。無駄にしないぞ!という心構え、大切ですね。
その後、どうやって社内に浸透させていったのでしょう?

矢内
矢内

社内への導入は工夫しましたよ。
当時、サイボウズliveすら導入して半年くらいでした。
ようやく慣れてきたという時期だったので、完全にkintoneへ切り替えると言うと社員にとってはストレスになると思いました。

だから、全部いっぺんにkintoneへ移行せず「ここはサイボウズliveでは不便だったけど、kintoneでなら改善されるよ」という風に、不便を感じていた部分から段階的に見せるようにしました。

新しいシステムを入れる時に大切にしているのは、必ず自分でロールプレイングを積み重ねること。

例えば、事務の担当者になりきって電話を受けてkintone上に内容を入力して。今度は営業担当者の使う端末からその情報を見た時にどうなるのかを研究したり・・・という動作の中で、どこが詰まるポイントか、どうすれば皆が一番手間が無いかを見つける。

よくある失敗はやっぱり、実際に使う側の気持ちや手間を知らないまま、一方的に会社側で導入を進めてしまうことだと思うので。

ー確かに使うイメージがしっかりできないと、システムは受けいれられないまま持ち腐れてしまいます。

なくてはならないRepotoneU

ーRepotoneUを導入した理由を教えてください。

矢内
矢内

他にもいくつかある帳票系プラグインに比べて、設定が圧倒的に簡単だったからです。
後はお付き合いのあるkintone周りの関係者から、「便利だよ」という口コミもあって。

今は請求書、見積書、稟議書などに使っていますが・・・日々の業務の中に当たり前RepotoneUがあり過ぎて(笑)あらゆるものに利用しています。

帳票のデザインや設定がダントツで楽ですね。
僕以外のメンバーからもノークレームです!

ーありがとうございます!これまでクラウド上で書類を操作したり作成したことのないメンバーでも使えていますか?

矢内
矢内

はい。RepotoneUに関しては導入していいかな?という事前の相談もなくこちらで決めてしまったんです。

最初は経費精算書の作成で使いました。一度帳票デザインをするところから操作の手順を見せたら、もうそれだけで担当者が次からは一人で使いこなせていました(笑)

ー今後のRepotoneUへの期待や要望はありますか?

矢内
矢内

ソウルウェアさんは製品に対して、シンプルで質の高い アップデートを積み重ねていますよね。
ケースバイケースで細かい要望ってユーザーからたくさん出てくると思いますが、必要なことを順番にクリアしてくれているイメージです。

でも1つ要望をいうなら、例えばシステムについて問い合わせたい時に今は窓口がメールだけですけど、テキストで説明がうまくできない状況の場合は電話できたら嬉しいなと思う時があるんですが・・・

ー確かにそうですよね。

現状では社内のリソースと1日の問い合わせ件数などの観点から電話対応は導入できずご不便をおかけしています。
今後は今よりもっと気軽に問い合わせいただけたり、こちらも対応スピードを上げられるよう、チャットの導入など色々施策は考えております。

矢内
矢内

それはいいですね。期待しています!

地方での課題?企業のIT化を進める時に大切な考え方。

ーところで、地方の中小企業ではIT化の進みが遅いという意見もネットでは散見します。
kintone公認エバンジェリストとして、多くの企業でkintone導入の相談に乗っている矢内様は実際のところ、どう感じていますか?

矢内
矢内

IT化は課題だと思いますよ。地方では新しい情報を拾いにいくのも大変だし。

地方だと新しいものを導入する時のコストへの抵抗感が強いんですよね。
例えばkintoneを1つやっとの思いで導入できたとしても、「帳票を作成するのに外部連携でRepotoneUをプラス費用1万5000円!?」と途端にハードル高く感じてしまう。

経営者って、新しいものを導入した時の教育コストやうまく運用できなかったらということを考えがちなんですけど、IT化することで一番良くなるのは実は人為的ミスによるリスクヘッジです。

例えば、人間の手で帳票入力をしてミスが発生しクレーム対応したとします。それにかかる時間・顧客から会社への信用損失・従業員の労力を考えたら、圧倒的にシステムにお金払って確実に処理できるものへ変えた方がいいんです。

でもその価値と価格の釣り合いがうまく考えられない場合が多いように感じますね。

一方で、経営者の方はみんな社員の負荷を減らしたいとも思っている。
それを、「残業を減らそう」とか安直な面から入るのではなく、

仕事が楽しくなるにはどうしたら良いか?」「社員みんなが得意なことで活躍できるにはどうしたらいいか?ということに、フォーカスしてIT化していくと、最初の導入も、その後の定着もうまくいくんじゃないかと思っています。

ー実際に矢内様が実践してきたからこそ、説得力があるし参考になります。

時代の流れを受けながら、矢内石油が企業として地域と共に変化し続けられている背景には、業務の整備やIT化がありました。
RepotoneUがその一端を支えていることが再確認できるインタビューでした。

矢内石油について

有限会社矢内石油は福島県西白河郡中島村で創業64年の歴史を持ちます。
初代の矢内清二郎氏からご夫婦で代々続いており、現在の矢内哲氏で4代目です。

矢内氏は一度地元を出て一般企業で就職され、2009年に矢内石油へ戻ってきました。
それまではガソリンスタンドとして車社会の小さな田舎町で愛されてきましたが、2011年
の東日本大震災を機に『くつろぎの場を増やす』企業ミッションを掲げ、燃料供給だけでなく住宅リフォームや車のコーティングなど、より地域に根ざす形になりました。

矢内 哲氏

矢内
矢内

有限会社矢内石油 専務取締役/kintoneエバンジェリスト

大手ショッピングセンター開発ディベロッパー、ダイレクトマーケティング会社を経て有限会社矢内石油へ入社。
震災明け2011年、リフォーム事業を立ち上げる。
リフォーム事業における業務改善の経験から2018年業務フロー設計やkintoneアプリ構築等の支援活動を開始。