労働時間について学ぼう–違法残業のリスク

コラム

「働き方改革」が注目を浴び、世間的にもなんとなく”悪いこと”と認識されている違法残業や長時間労働ですが、具体的にどんなペナルティやリスクがあるのかきちんと説明できる方は少ないのではないでしょうか。今回は前回学んだ36協定などの手続きを踏まなかったり、36協定の規定上限を超えて労働した場合どんなことが起こるのかを解説します。

「バレなければOK」は間違い

36協定の規定上限を超えて労働している、または36協定を締結せずに違法に労働していた場合、それが労基署に発覚すればもちろん是正勧告を受けます。

「バレなければ大丈夫だろう」と会社側(ベンチャー企業の社長など)が思っていても、従業員が違法な長時間労働や休日出勤に耐えかねて労基署に助けを求めるかもしれません。
また、労基署から企業へ定期調査に来る場合があります。
SNSを始めあらゆる手段で従業員が助けを求める手立てはあるので「バレない」という考えはそもそも間違いなのです。

また、違法な残業や休日出勤を強いて従業員と揉めるようなケースのほとんどで、法定残業を超える労働時間に対しての割増賃金を支払っていない場合が多いです。

未払い残業代の支払い義務は、会社の財務に多大な影響を与えます。
場合によっては社員1人につき100万円をゆうに超える支払い義務が生じるケースも珍しくなく、対象社員が複数人いた場合などはあっという間に会社の財務を破綻へ追い込むのです。

社員の健康、会社の評判まで失う・・・

どれだけ優秀な従業員でも、違法な長時間労働により疲弊しているとパフォーマンスは必ず落ちます。それは会社のサービスへ段々と影響を及ぼし、結果、提供するサービスの品質を落とすことになります。

また今ではSNSやメディアを始め、多様な手段で誰でも情報のやりとりが可能です。「残業は社内の中だけの話」と思っていても、思わぬところから違法残業が露見することもあるのです。世間に後ろめたい働き方はやめた方がいいでしょう。

もちろん、第一に守るべきは従業員の心身ともに健康な姿です。

過酷な労働から体調を崩したり、うつ病になってしまったりというニュースはこれだけホワイトな働き方が浸透し始めている現代でも後を立ちません。

中には仕事が大好き、働くのが大好きでつい休日も仕事してしまう!というメンバーもいるかもしれませんが、勤怠管理システムなどを導入し労働時間の管理を行い、定期的な面談などを通して随時、ケアを行うのも大切な会社としての監督義務です。

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