
株式会社アプリシエイト(本社:東京都新宿区)はテレマーケティングを中心とした営業代行業務を行っている会社です。
週に1度発生する交通費精算業務をエクセルで行っていましたが、移動の多い営業職で面倒な領収書の整理や申請は、社員も管理側も大変な手間を感じていました。kinconeを導入し、勤怠と交通費を集約してからは劇的に改善され、コロナ下のテレワーク導入にも難なく対応することができました。
株式会社アプリシエイト
利用人数:50名
導入時期:2015年1月〜
週に1度の交通費精算をリアルタイムで実行するツールを探していた
ー 2015年からなので、もう7年近くkinconeをご利用いただいてますね。当時を思い出しながら教えてください。
導入前はどのように勤怠管理をされていましたか?
五十嵐:クラウドの勤怠サービスで、指紋認証で打刻をしてました。
ただ、冬場で指先が乾燥していたりすると反応しないことも多くて。
指紋リーダーも何千円とするのでそう気軽に買い替えられず、ちょっとな、と思っていました。
そんな折、kinconeを知りました。当時の当社代表取締役と吉田さん(ソウルウェアの代表取締役)が繋がりあったようで、吉田さん直々にプレゼンいただいたんです。
ー kinconeが良かった点はどこだったんでしょうか。
五十嵐:実は「勤怠」に関する運用の問題意識は当時そこまで高くなかったんです。指紋認証しづらい、と感じていても一応できていたし。
それより問題視していたのは交通費。
当社は営業代行の事業を行なっていて、「電話をかけてアポイントを取り、営業マンが訪問する」というスタイルなのですが、その交通費精算が結構面倒くさかったんです。
ー面倒というのは?
五十嵐:交通費は週に1度精算しているんです。1日の訪問件数が多いから、月に1度だと個人の立替負担額が大きいので。
例えば1日に5件ほど訪問して、電車・バス・タクシーなどさまざまな交通機関を利用する。その全てで領収書を見ながら、となると申請する側も管理する側もとても大変でした。
人によっては平日は仕事で手が埋まるので休日にその作業をする場合もあって、それも良くないなと思っていました。
ー なるほど、それは確かに大変ですね。これまでの交通費精算はどのように?
五十嵐: 最初はエクセルで運用していました。その後、社内にWebエンジニアが1人いたので、「クラウドのシステムを作ってレンタルサーバーで動かせないかな?」って、試しにやってみたりもして。ただ、結局その人が退職してしまうと、誰も何もできなくなる。
そんな時にkinconeをご紹介いただいたんです。
ICカードをタッチすれば打刻も交通費も読み取ってくれる点が、非常に当社の営業スタイルにマッチすると感じました。
試験的に導入してみたところ、営業メンバーからのフィードバックが良かったので導入に至りました。
ー 今は、朝オフィスに出社されて、それぞれの営業先へ行く形なんですか?
五十嵐:それもあるし、外勤の営業に関しては、フルリモートです。
ー リモート出勤はkinconeでどんなふうに運用していますか?
五十嵐: 以前はLINEで「今から出勤します」と報告もらって、その時刻をオフィスにいる責任者が取りまとめて打刻していました。
1人の責任者が10人分くらい(1チーム)の打刻をする感じです。
ただ、この方法はちょうどこの4月から廃止して、従業員自らが打刻できるようにします。
ー従業員に実績を編集されてしまったら困るのでその方法を取っていたんですか?
五十嵐:はい。でもその考え方をやめて、性善説に基づいた運用をしようとなりました(笑)。
ー kinconeでは従業員が勤怠を編集すると、ブラウザ上では編集した項目の背景色が水色になったり、ダウンロードした勤務表には「*」が付いたりと何かしら編集した形跡は残るようになっていますので。
五十嵐:そうですよね。
従来のやり方(10人分を責任者が一気に打刻していく方法)は手間ですし、それだけ毎日やっているとミスもあるんです。
結局、申請された勤怠データを給与計算のソフトに入れて、整合性を見た時にエラーが出て差し戻してっていう作業が発生するので、最終的に管理している私の負担にもなっていたんです。
ー逆に従業員からは、打刻を自分でしていないと「もしかしたら会社側に早めに勤務時間切られてるかも」と思ってしまう気持ちもあったり。
お互い真面目に勤務しているのにそう思ってしまうのは勿体無いので、みんなで可視化できるようにするのはとてもいいことだと思います。
シンプルだからこそ自由度の高いkincone
五十嵐:2019年頃ですかね、ChatworkとkinconeをAPI連携させて、設定したキーワードをポストすれば打刻できるようになりますよね。
ー はい。
五十嵐:さらにそれに、iPhoneの「ショートカット」っていうアプリで位置情報と掛け合わせて、「この近辺100mに入ったら自動で”出勤”とポスト」するように設定してみたんです。帰宅時は逆に、「この時間からこの時間の間に半径100mから離れたら”退勤”」というような仕組みにして。
ー 面白いですね。
五十嵐:わりとうまくいって、これいいなと思ったらコロナになってしまいました(苦笑)。
テレワークになったので、その運用はあまり実務で利用できていないんですけど。でもその時に、「いろいろできるんだな」と感じました。
なので結構APIの連携が開始しました、というお知らせとかはチェックしています。
とにかくわかりやすいですよねkinconeは。
パソコン全然わかりません、そういう人もすんなり「こうやって、タイムカードの要領でICカードタッチするんだよ」と教えたらもう次から自分でできる。
Suica(やPASMO)を日常的に使っている人も多いので、それをそのまま利用できる点も良かったです。
勤怠システムなので、雇用形態に関わらず、必ず1人1アカウントを作らなきゃいけない。
全員がアカウントを持っているので、例えばコピー代や業務で使う何かを買いましたっていうときの経費精算にも活用させていただいてます。
「面倒くさい」はツール導入の最大の敵。定着の鍵はシンプルさ
ー 今、感じている課題はありますか?
五十嵐:従業員各々のITリテラシーがバラバラなので、コロナ下のテレワークではボトムアップが難しい。
今までの慣習に疑問を持たずに引き継いでしまい、非効率であっても続けてしまう点があります。
ー その辺の意識改革はこれからどんなふうに進めていこうと思っていますか?
五十嵐:実は、今年の1月に事務所を改装したんですが、そのタイミングでみんなで顔を合わせて話す機会があったんです。
新しく何かを始める際になかなか進まない大きな理由が、よく聞いてみるとわかりました。
単純明快で、「面倒くさいから」。
逆に言えばその面倒くささがなければ、あらゆることができるんじゃないかと私は感じました。
例えば、オフィスの掃除も自主的に行う社員がいなかったんですよね(笑)しまってある掃除機を引っ張り出してくるのが面倒くさい。コードを繋げるのが面倒くさい。
ーそれは五十嵐さんが見かねてやるんですか?
五十嵐:頻度は高かったかもしれませんね(笑)
それでちょっと高かったけどコードレスのスティッククリーナーを買いました。そしたら、自主的にやる人が増えたんです!
こんな些細なことで変わるんだなって思いました。
結局、勤怠もそうですよね。「指紋認証できない、どうしたらいいんですか」みたいなことを毎回対応して互いに不満が溜まるより、ICカードタッチすればいいだけのkinconeにしたらすぐに定着した。面倒くさくないものはすぐに定着しちゃう。
ーとくに勤怠は毎日発生する作業なので、定着しやすいツール選びが大切ですね。
株式会社アプリシエイトの働き方への取り組みはありますか?
五十嵐:当社はテレマーケティングという手法を中心にした営業会社で、現在は通信回線の取り扱いがメインです。
働き方の部分で大切にしていることはまず、週休をしっかり確保すること。
当社は「休めるときは休もう」と、今年の試みでゴールデンウィーク期間は会社の休みにしてしまいました。
とくに今年は祝日の間に平日が飛び石のように挟まれているんですが、コールセンター業務は1日ではなかなかコンバージョンしないっていう特性があるので長期休暇の中1日だけ営業しても、逆に効率が下がるんです。
なので今年はみんなで休むぞって、11連休です(笑)。
ー 攻めのアウトバンド営業系企業だと、ブラックなイメージは多いですよね。大型連休は嬉しいですね。
五十嵐:あとはテレワークの継続ですね。
コロナ下でテレワークを導入した同業他社も、緊急事態宣言が解除されたら全員出社のスタイルに戻したということは多く聞きました。
でも当社は、テレワークを継続したい人はしていいことにしました。会社に来ないと業務ができないという部門もありますが、結果半分くらいはテレワークを選択しています。
地方の実家にいるけどテレワークできるならと、退職したスタッフが戻ってくる例もありました。
ー人材の確保には有効ですね。
五十嵐:とくにアルバイト雇用は、このエリア(東京都新宿区)では争奪戦ですね。時給を釣り上げていくしかないので、テレワークなどで付加価値を見出せるのは強みです。
また、kinconeの「アカウント停止」が画期的だなと。
停止している間は該当アカウント分の課金はなくなるけど、データは保持されるんですよね。
何か労務問題とかトラブルがあったときのバックアップとして、復活させればアカウントに紐づく勤怠データの復元ができるのは、すごくありがたい機能だなと思います。
もちろんダウンロードしてCSVで保存もできますが、データが消える可能性もありますし、やっぱり属人的な作業だと思うのでクラウドにデータが残っているというのはよかったですね。
お話を聞かせてくれた人

株式会社アプリシエイト
株式会社アプリシエイトは「すべてに感謝し、感謝を創る」をスローガンに、お客様の課題解決に繋がるさまざまな商品・サービスを提案する会社です。

五十嵐 智哉(いがらし ともや)
取締役 副社長/経営管理本部 本部長
元ミュージシャン。元バーテンダー。現在、社内のなんでも屋。
F1 Lovers。ガジェット好き。インドア派。親ばか。
soulwareの広報担当、サリーです!「幸せな働き方」への情報を中心にソウルウェアの様々な取り組み、イベントの様子、たまには雑談などを発信していきます。